ゲーム作りのペース配分と全体作業量の見積り(その2)

前回に続き、
ゲーム開発の工程について
大まかに説明します
よろしくお願いしまーす!


全体の作業(タスク)量

前回に続き
全体の工程を説明していこう
初見の方は前回の記事
見てほしいっす!
  • 1)企画・アイデアまとめ
  • 2)基本となるスクリプト、仮グラフィック制作
  • 3)2)の改良とステージ1個目相当のボリューム制作
  • 4)UI、タイトル画面、ゲームクリア、ゲームオーバー画面の作成とシーンつなぎ
  • 5)エフェクト(パーティクル)、サウンドまわり制作
  • 6)2)の改良とステージ2個目以降のボリューム制作、レベルデザイン(難易度やバランス調整)
  • 7)不具合修正やバランス調整、実行ファイル化


3)まで行けばアルファ版完成、
というところだったよね
インターハイだといつまでに
3)まで行ければいいっすかね?
7月末までに
行けたらいいなぁ~……


スケジュールを作ってみよう


※クリックで拡大
試しにざっくり引いてみた
おぉ……これが
開発スケジュール……
あくまで一例だけど
そめ先生ならこんな感じの
時間配分かなぁ~
先行き不透明で
考えると不安になる
作業っすね……
う、うん……
しかし必要な作業なのだ


スケジュールはマラソンで言うところのコースマップのようなものだ。いつまでに、どこまで作っていかなければいけないか。実際のところ、スケジュール通りに開発が進むことは滅多にないが、企画を元におおよその目安を考えるだけでも、ゲーム作り全体のボリュームが見えてくる。

上の画像ではかなり大ざっぱな引き方をしているが、実際には「プレイヤーキャラクターのスクリプト作成」「ステージ1のモデリング作成」など、作業を小分けにして何日ずつ、と割り当てるとより精度が高くなる。たとえスケジュール通りに進まなくても、何日分くらい遅れているか?を明確にできるのは心強い。提出締切に間に合わせるために思い切って作業をすっ飛ばしたり、ゲームの中身を変更する判断もできる。


※クリックで拡大

試験勉強も範囲がわかってると
あとどのくらいやればいいか
ペースがつかめるだろ?
範囲がわからなかったら
永遠に終わらない気が
してくるっす
話を戻して、前回の続きから
説明していくぞ
ういっす!


4)UI、タイトル画面、ゲームクリア、ゲームオーバー画面の作成とシーンつなぎ

UIっていうのは……
ユーザーインターフェースの事な

選択ボタンとかライフ表示とか
そういうやつ



こういうのがUIです

さて、前回の記事で「ステージ1個目相当のボリューム制作」まで説明した。次はUI作成と、タイトル画面、ゲームクリア、ゲームオーバー画面のシーンを作り、それらをつなぐことを目標にしよう。

シーンをつなぐスクリプトは
大抵の練習プロジェクトに
載ってると思う
ボクもUnity本で
サンプルゲーム作るときに
やりました!
ここで重要なのは
「通しプレイ」ができるように
なることだ


通しプレイはゲームスタートからゲームクリア/ゲームオーバーまで一通りプレイすることを指す。後回しにしがちだが、これが実装されるとグッと「ゲームっぽく」なってくる。また、ゲームをビルド(実行ファイル化)して人に遊んでもらうこともできるようになる。

人に遊んでもらうのがハズカシイという人も大勢いると思うが、ゲームはずーっと作ってると面白いのか面白くないか、難しいか簡単なのかわからなくなってくるんだよ!人に遊んでもらってこそのゲーム。たとえハズカシイと思っても、人がどんなふうにプレイするかを観察してみよう。短い時間でも得られることは多い。

むしろUIまわりがツライかも
しれないなぁ
uGUI(ユーグイ)っていう機能で
作ったことあるっすよ
詳しくはまた別の機会に
話そう


5)エフェクト(パーティクル)、サウンドまわり制作

魔法系の無料パーティクル、「KY Magic Effects Free」

ゲームを盛り上げるための
要素だね


結論から書いておくと、パーティクルやサウンドの自作は初めてトライするには難しすぎる。経験がなければ、ここはアセットストアや無料でダウンロードできるフリー音素材に全力で頼るつもりでいよう。

困ったら他力本願やね
パーティクルは
安くていいアセットが沢山あるよ
アセットストア先生ェ……
ありがとうございます……!
サウンドもフリー素材屋先生方が
強烈すぎて頼りにしっぱなし

いずれ紹介したいと思います


メインのゲーム部分に手を取られておろそかにしがちな部分だが、フリー素材を使えば実装はさほど難しくない。このあたりが実装できるといよいよゲームとしての手応えや雰囲気作りがにじみ出てくる。すでに出来上がっているアセットやフリー素材から自分のゲームに活かせるものを探すのもきっと楽しいはずだ。

6)2)の改良とステージ2個目以降のボリューム制作、レベルデザイン(難易度やバランス調整)

ああああああ!!!!
!?
ここが一番楽しいんや……
たにっこ君……ここまで行けば
ゲーム作りはごっつ楽しいんやで……
(えー)


ここまでの工程でゲームの基本要素、スクリプトや仮グラフィックはできている。それらを組み合わせたり、グラフィックを綺麗にしていく作業だ。


背景用の3Dモデルもおすすめ。画面内に配置するだけで見栄えがよくなる



「シェーダー」もグラフィック(3Dモデル)を手軽に綺麗にできるアセット



Skyboxを変えるのもお手軽。Unityデフォルトの青い空はもう見飽きたお……という方におすすめ


気をつけなければいけないのは、ボリュームを増やすことよりも最初にプレイするときの面白さを重視したほうがいい。簡単なチュートリアルや操作説明を加えたり、最初のステージを改良してプレイヤーが「おもしろい!」と感じるところまで迷わずいけるようにすることが重要だ。

ゲームを始めて最初の1分で
楽しんでもらうことを
目標にするといいぞ
最初の1分……
「つかみ」が面白ければ
続けて遊んでくれるからね


ゲーム中の要素がだいたい実装できたら「ベータ版」と呼ばれる状態になる。「ベータ版」までできれば完成まではあと一歩だ。

7)不具合修正やバランス調整、実行ファイル化

ああああああ!!!!
!?
ここには思い出したくない事が
あるんや……
(えー)


最後のステップが不具合修正、バランス調整、そして実行ファイル化である。このパートは根性で乗り切るしかない。しかし逆にここが燃えるという人もいる。

ゲームに不具合(バグ)は付き物だが、まずは余裕を持って実行ファイル化をしておこう。実行ファイル化はプロジェクトによっては時間がかかるし、思わぬエラーや問題が起きやすい作業でもある。寝る前にビルドしておこう。

Unity Cloud Buildっていう
機能を使うと、自動的に
ビルド作業を行ってくれるらしいっす
うむ
詳しくはいずれ説明しよう


ちょっと駆け足になったが、作品完成までにやることは以上のような工程になる。もちろんゲームによって変わってくるが、重要なのは「必要な作業」の洗い出しと「スケジュールへの落とし込み」だ。自分のゲーム作りのコースマップを作って、完成までの作業イメージを描いてみよう!

さて、ここまで企画・アイデア出しや全体の工程について説明してきたが、もう少しこのあたりの話を続けたい。次回は、実際に2日間で作ったゲームを元に、ゲーム作りの初期段階でどういう課題が出て、どのように解決していったか、実例をまじえて紹介したいと思います(たぶん)。