ゲーム作りのペース配分と全体作業量の見積り(その1)

8月31日まで
あと2ヶ月半あるんですが
うむ
どんなペースで
ゲーム作ればいいか
わからないっす!


企画・アイデアが出た。Unityも起動した。しかしゲームを作ったことがない人にとって、この2ヶ月強という時間をどう使えばいいか、判断ができないのではないかと思う。例えるならコースのわからないマラソンを走らされるようなもので、全行程で何キロあるのか、山や上り坂がどのくらいあるのかわからないようではペース配分もつかめないというわけだ。これは本当にその通りなので安心してまごまごしよう。まごまごしたことないゲーム開発者などいない!

Unityインターハイに限らず、ゲーム作りのペース配分や作業量の見積りは大変重要なことなので、今回はそのあたりについて話してみたい。

全体の作業(タスク)量

本当に大まかにだが、各工程をざっくり箇条書きにしてみた。

  • 1)企画・アイデアまとめ
  • 2)基本となるスクリプト、仮グラフィック制作
  • 3)2)の改良とステージ1個目相当のボリューム制作
  • 4)UI、タイトル画面、ゲームクリア、ゲームオーバー画面の作成とシーンつなぎ
  • 5)エフェクト(パーティクル)、サウンドまわり制作
  • 6)2)の改良とステージ2個目以降のボリューム制作、レベルデザイン(難易度やバランス調整)
  • 7)不具合修正やバランス調整、実行ファイル化


1)企画・アイデアまとめ

まずは「どんなゲームを作るか」を決める。別記事でも書いたように、ブレーンストーミングや一言説明など、なんとか工夫して作るゲームを考えよう。

インターハイでいうと
期末試験勉強が本格化する前に
カタをつけておくのが理想だな
むむ……
先に決めておくと
試験勉強の合間に
どんどんアイデアがふくらむぞ
息抜きという名の現実逃避で
脳内クオリティアップするって
わけですね!


あと、これはまだ記事として書いていないが……勉強用に作ったサンプルゲームや今あるスクリプトを元に「どう改良するか」で企画を考えてもいいと思う。アイデア先行で考えてゼロから未知のスクリプト書くのは初心者にはハードルが高い。そのままボリューム増やすだけだと「サンプルゲームの水増し」にしかならないのでダメなんだけど、これについてはまた今度語るかもしれない。

なんにせよ、企画・アイデア固めはさっさと終わらせるに限る。もーーー本っ当に大人でもそうなんだけど、ここで足踏みすることに慣れると何にも進行しないまま時間が過ぎてしまって大変もったいない。どうせ時間が過ぎるなら、ゲーム作りで試行錯誤している方がスキルアップになるし、苦しいけど楽しいぞ。

タイトルがぁ~
タイトルが決められないっす~!
(後回しでええんやで)


1)2)基本となるスクリプト、仮グラフィック制作

ゲームの基本と「一番おもしろいところ」を実現するところまで完成させよう。

ぶっちゃけ初心者は
ここが一番ツライ
やっぱそうっすかw
ここさえ越えれば
後は工夫と根性で
なんとかなるんだが(たぶん)


ゲームの内容にもよるが、だいたい共通していることをここに書き留めておこう。

  • わからない部分はインターネットで検索し、スクリプトも細かいことは考えず積極的にコピペしよう。とにかく前進、前進だ
  • グラフィックは仮データや適当なものでいい
  • 作り込みすぎない。どうせ後で何度も調整する
  • 「ゲームのような何か」を何としてでも形にしよう
  • クソゲーを作ってる気分になるかもしれないが、誰でも最初はそうなる。あきらめてはいけない


「ゲームのような何か」が
できたら、誰かに見てもらってくれ
えー?
まだできてないっすよ?
ITがわからない友達や家族、先生がたは
高確率でビビってくれるので
その反応を見てやる気を出すんだよ!
ちょw
スクリプトでも見せて
軽ぅーく専門用語で説明すれば
効果はばつぐんだ!
やる気を出すためなら
手段を選ばねぇというわけっすね!


3)2)の改良とステージ1個目相当のボリューム制作

ゲームによるが、ステージ1個目相当のものはコンパクトにまとめよう。壮大なボリュームにしてはいけない。

ゲーム作りの初心者はこの「ステージ1個目」を壮大に、あるいはそこそこ大きいものにしてしまいがちだ。たぶん、既存のゲームのチュートリアルやステージ1個目が壮大だったり、自分の脳内で壮大なゲームが動いているので、それを実現するために壮大にしてしまう……のでないかと思う。

既存のゲームの「つかみ」は
プロ開発者が何ヶ月もかけて
作ってるからね
最初のステージとか
オープニングムービー、
チュートリアルとかっすね


もし初心者がステージを3つ作ったとしたら、3つ目のステージを作る頃には技術が上がって1個目のステージを作り直したくなっているはずなのである。ステージ1作りは「どーせ後で調整するし、アタイの本気はこんなもんじゃないからね」と考えながら、練習と思って取り組んだ方がいい。

ポイントとしては以下の3つを抑えておくことを目標にしよう。

  • 操作できる
  • ゲームクリア(ステージクリア)ができる
  • ゲームオーバーがある


もうね、アホでもクリアできる
ボリュームで十分だと思うよ


ここまでできたら、一般的には「アルファ版」と呼ばれるゲームのプロトタイプができたと考えていい。この先も大変だが、ゲーム作りの真の面白さはここからだ。今まで仮グラフィックやら適当なステージで作っていたところを改修すると段違いにゲームの見栄えがよくなる。アルファ版完成の後は「ゲームのクオリティ」を上げる作業に取り掛かれるというわけだ。「もしかしてこのゲーム、面白くなって賞でもとれるんじゃ?」と期待が高まるのもだいたいここからである。

長くなってきたので次回に続く!