2つのアイデアを組み合わせたり、世界観とゲーム性をうまくフィットさせよう

前回に引き続き
ゲームの企画、アイデアを考える
コツについて語るよ~
はぁじまぁるよー


前回はアイデア出しのコツについて
語ったわけだが続きがある
続きというと?
例えば「桃太郎が冒険するゲーム」
というアイデアだけでは
ゲームにはならない
なんでですか!
作るの大変そうだけど
おもしろそーじゃないすか!?


ゲームの企画を考えた時、世界観や要素も大事だが「ゲームのルール」も必要になる。

例えば桃太郎がボタンで刀を振り、鬼を倒すだけのアクションゲームを作ったとして、それだけでは単純だ。ただひたすら鬼が出てきて殴るだけのゲームになってしまうかもしれない。そうならないためには、そのゲーム独自のルール、要素が必要なんだ!

なるほど~。
ゲージがたまって必殺技が撃てる!
とかですかね?
うわ~ ありがちやな~


ゲージをためて必殺技が撃てる。そういうゲームは世の中にたくさんあるし、何も真新しさがない。まあそれも、超絶技巧でド派手にできたらキモチイイと思うけど、ゲーム開発初心者が頑張って作ったのに「○○○(市販のゲーム)の方が面白いね」とか言われたら悲しい。だって勝てないもんな。「○○○のパクリ?」とか言われたら心が折れて「Unityなんてクソだ」とクリエイターの暗黒面に落ちてしまうかもしれない。(だから人のゲームを不必要にこき下ろしたり、安易に「パクリ?」とか言うのはやめよう笑)

しかし考えてみてほしい。世の中に神ゲーが1つだけではないように、荒削りでマイナーなゲームでも「これはおもしろい」と思った瞬間が、ゲーム好きなら必ずあるはずなのだ。ゲーム開発初心者がベテラン開発者に勝てるチャンスは企画・アイデア作りに眠っている。


Unityインターハイ2016で本選出場し、中学生特別賞を受賞した「All Answers Are Mine(奈良女子大学附属中等教育学校)」。荒削りだが「バレないようにカンニングする」というアイデアをゲームに落とし込んでる点が評価された



同じく「絶対にばれてはいけない一人カラオケ(徳島科学技術高校)」。廊下の友達にバレないように歌う、という実体験を元にしたアイデア。荒削りでも面白いもんは面白いのだ

でもボク ゲーム作ったことないし
斬新なアイデアなんて
思いつかないっす……
実はアイデア出しも
コツがあるんや
(なぜ関西弁に……?)

2つのアイデアや要素を組み合わせてみよう

  • 「桃太郎」と「川下り」
  • →桃が流れてきてどんぶらこっこ……岩にぶつかると死ぬ。犬、猿、キジを操作してゴールにたどりつく。
  • 「桃太郎」と「料理」
  • →まな板に出てくる野菜を刀でサクサク切っていこう。桃だけは切ってはいけない。
  • 「桃太郎」と「軍隊シミュレーション」
  • →無数の桃太郎で鬼ヶ島を攻め落とそう。ときどき犬、猿、キジを使える。
  • 「桃太郎」と「サッカー」
  • →(うーん、何か相性が悪そうで思い浮かばない……)

    すげぇ!なんか新しいゲームができそうっす!
    (5分で適当に考えただけだけどな)


    2つの全く別の要素を組み合わせることで面白いゲームのビジョンが頭に浮かぶかもしれない。前回「ふせん」を使ったブレーンストーミングの写真を載せたけど、別の場所にあるふせんを組み合わせてみるのもいいだろう。


    世界観とゲーム性をフィットさせよう


    桃太郎とサッカーは
    他と比べて相性悪そうっすね
    まあそうだな
    なんでなんすかね?
    「桃太郎」と「サッカー」に
    関連性がないからじゃないかな

  • 「桃太郎」と「川下り」
  • →桃太郎では川から桃が流れてくるのがお話のはじまり。

  • 「桃太郎」と「料理」
  • →刀は切るものなので野菜を切ったっていい。桃を切ったらいけないのは、中にミニ桃太郎が入ってるからだ。

  • 「桃太郎」と「軍隊シミュレーション」
  • →桃太郎といえば鬼ヶ島。鬼ヶ島は征服するものだ。もちろん犬、猿、キジも助っ人として登場。

  • 「桃太郎」と「サッカー」
  • →?

    このように、単に突飛なアイデア同士を組み合わせるのではなく、世界観を考えて相性の良いアイデア同士を組み合わせてみよう。何かヒラメキがあるかもしれない。

    うっ……うーーーっ……
    どうした たにっこ君
    でもボクはぁ!桃太郎で鬼退治する
    爽快な3Dアクションゲームが
    作りたいんっすよぉ!!
    仕方ねーやつだな……


  • 犬はダッシュ、猿はジャンプ、キジは飛行で助けてくれる3Dアクション。鬼ヶ島をほろぼす
  • →ステージはダッシュ、ジャンプ、飛行が便利に感じられるようなステージづくりにしよう。

  • 豆をマシンガンで撃ちまくる節分3Dアクション。鬼ヶ島をほろぼす
  • →節分だから冬のステージにしよう。クリアすると花が咲いて春が来るってことにしよう。

  • キジが落とすきびだんごを食べると体が巨大化していく3Dアクション。鬼ヶ島をほろぼす
  • →毒のきびだんごを食べるとトイレに駆け込むことにしよう。

    オッ いいっすね~~
    (ちょろいなこいつ)


    まあマジで適当に考えたので、実際にゲームとして成立させるには考えなければいけないことが沢山ある。とはいえ、ゲームの芯が定まると考え方に方向性を与えられる。「ただゲージをためて必殺技を撃つ」ゲームだとステージやルールも手探りで作っていくしかないが、上に書いたようなアイデアなら、どう工夫すればフィットするかが明確になるからだ。節分がテーマなのに舞台が夏だったらおかしいよね。

    なるほど~
    良いアイデアが出せそうな気が
    してきたっす!
    無から作ろうとしなくてええんや

    世界観と要素をうまくフィットすれば
    多少無理なルールでも
    「そういうもの」だと思ってもらえるで
    (なぜ関西弁……)